眠れる森の彼女

ホワイトを基調とした高級感のある二階建ての一軒家だった。


吏那の母親の趣味なのか庭には鉢植えが幾つも配置されている。


夏までは濃淡様々な緑に彩られ、眩しかっただろう。


宗志さんに続いて、吏那の家へ入る。


「まぁ、いらっしゃい」


俺が来るのを知っていたのか、吏那の母親が俺を出迎えた。


「初めまして。椎名万威です」


柄にもなく急にあがってしまった。


好きな女を生んだ女性と初対面。


悪い印象はもたれたくない。


「やだ。本当にびっくりするくらい綺麗な男の子だわ」

「父さんは?」

「あの人、仕事が詰まってるってもう出たのよ」