その申し出を俺は迷わず受け入れた。


また車で猛さんの店まで送ってもらい、俺の住所を教え、宗志さんとは別れた。


いつもより更に冷えた深い夜道をバイクで飛ばしていく。


もし俺が今、眠ってしまったとしたら……。


ゾクッと嫌な感覚が胃を収縮させる。


何をするにも吏那はこうなのか?


きっと吏那は運転免許をとることもできないだろう。


俺に吏那の恐怖は計り知れないけど、吏那一人に背負わせてやるもんか。


同情でも、憐憫でも、偽善でもない。


俺には吏那が必要だ。