眠れる森の彼女

苦しくても怖くても周りに理解してもらえない。


それどころか居眠りや授業のサボりや体育の欠席を“ずるい“と責められて、嫌がらせを受けていた。


どんな気持ちで吏那はあの校舎で毎日を過ごしてきたんだろう。


あの小さな体で一人で抱え込むのは到底無理な話じゃないか。


みずくせぇ。


何で俺に言わねぇんだよ。


握った拳が小刻みに震えた。



「深刻に話したが、別に毎日症状が襲うわけじゃない。半年ほど普通だったこともある。
だからこそいつ症状が出るか怖いんだよ。服薬してても万能じゃなくて気休め程度に過ぎない。具体的な治療法もないらしいしな」