眠れる森の彼女

「吏那の症状を理解しろってほうが無理な話だ。
体は健康だし、突然眠ってしまうなんて聞かされても馬鹿げてるとしか思われないだろう。
俺だって妹可愛さだけで、毎日送迎なんてしたりしないさ。
吏那を一人で通学させられないからだ」


俺の中で点と点が線で結ばれていく。


そういえば、吏那は一度美術室に来なかったことがあった。


あれは、きっと眠ってしまったからに違いない。


「睡眠障害って言っても障害扱いされるわけじゃない。
学校に伝えてはいるけど、何処まで理解してくれてるのかはわからない。
自然と吏那は他人と距離を置くようになった。
あいつのメモリーには家族以外、入っていない」