眠れる森の彼女

あーあ。


俺だけの誰にも邪魔されない取って置きの静かな場所が。


けど吏那なら悪くねぇ。


コイツうるさくなさそうだし、口堅そうだし。


吏那は唇をぽうっと丸く開いて、俺を見ていた。


その目が潤んでいったかと思うと、

「はい。ありがとうございます。椎名先輩……」

ふにゃりと笑ってみせた。


“礼なんて言ってんじゃねぇよ“


その言葉が喉で消えた。


泣きそうになったかと思えば笑ったり、コイツは心臓に悪い。