眠れる森の彼女

吏那が愛おしい。


初めて使ったそんな言葉はこの感情を現すはずだ。


「ったく。吏那を泣かせやがって」

「すみません」


吏那に会いたい。


すぐ会いたい。


今にも走り出したいほど、感情が溢れ出す。


ずっと苦悩してた反動か、吏那の顔が見たくて抑え切る自信がない。


ただ残る一抹の懸念。


「どうして吏那はあれから学校を休んでるんですか?」


そう聞くなり、宗志さんは眉間の皺を濃くし、煙草のフィルターを噛んだ。


少なくとも耳に優しい話じゃないんだろう。


「俺が万威くんに話したかったのはそのことだ」