眠れる森の彼女

「俺にばらしてしまって楽になったんだろうな。吏那は口を開けば“椎名先輩“のことばかり話すようになった。
吏那は親しい友人が居ない。誰かに話したくてうずうずしていたんだろう」


吏那が俺のことを……。


宗志さんの刺のある口振りからすると俺を悪くは言っていないんだろう。


「お前、煙草は?」

「吸いませんけど」


嗜好品は金がかかるじゃねぇか。


その前に俺は未成年だけど。


「へぇ。意外だな。最初はヤンキーなのかと思った」


は?


ホストだと言われたかと思ったら今度はヤンキーかよ。


散々な印象だ。


元ヤンの猛さんから譲ってもらったあのバイクに乗ってたら、そう思われても仕方ないのかもしれない。


「俺は吸っても?」

「どうぞ、ご自由に」