眠れる森の彼女

事務的に話を進める宗志さん。


何となく……じゃない。


少なくとも俺は宗志さんによろしく思われていないようだ。


「わかりました」


宗志さんに店を教えて、一旦別れる。


バイクを走らせていたら、骨まで凍みるような冷気に頭も冴えてきて、疑問ばかりが生まれた。


吏那の兄が俺に何の話があるっていうんだ。


それにどうしてあのコンビニに停められたバイクが俺のものだと知っているのか……。


気ばかり焦るだけで、バイト中は時間が流れるのがやけに遅かった。


あらかじめ猛さんに今日の賄いはいらないと伝えてあったため、閉店作業を一通りこなして、「お先です」と早々に裏から出る。


「寒い……」