眠れる森の彼女

「これからバイトがあるんで……」


頭は整理できてないけど、ポーカーフェイスで答えた。


何となく、宗志さんに困惑していることを見透かされたくない。


「ホストか?」

「いや、普通の××通りの飲食店ですけど」


高校生がホストって何だよ。


俺はホストに見えるってことか?


さっきから宗志さんは俺に対して好戦的な気がしなくもない。


「なら終わってからはどうだ?」

「別に構わないですが、22時30分を回ると思いますけど」

「俺も構わない。万威くんは携帯電話を持っていないんだったな。バイト先まで迎えに行く。店を教えてくれ」