眠れる森の彼女

──無気力。


ナミの言うとおり俺はそうだった。


今この瞬間に呼吸が止まってもかまわないと思っていた。


だけど今は明日の吏那に会うために、今日も生きたい。


俺はガキで単純なんだ。


吏那を放っておけないし、世界で一番可愛いと思う。


俺の手で守りたい。


傍に居たい。


自分でも驚くほど、吏那だけが好きだ。


悪役でも何だって引き受けてやる。


気まずく思うならフラれもしてやる。


……だから、どうしようもなく吏那に会いたい。