眠れる森の彼女

女は感情的になった自分に気がついたのか、声が止む。


沈黙が横たわっている空間に予鈴が響き渡った。


「──吏那、休んでるのか?」


俺から発したのは、それだけ。


少しの間があってから、

「……文化祭の日以来、欠席してます」

と、さっきとは違う声が教えてくれた。


「へぇ」


あっさりと返し、俺は教室に戻った。