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停学期間はあっという間に過ぎ去った。


昼は部屋で課題をやって、夜はバイトに行く。


謹慎中はバイトも行くべきではないだろうけど構うものか。


猛さんには咎め立てられるかと思ったけど、

『停学かよ! ざまをみろ、万威! うけけけけ』

腹を抱えて笑いやがって、本気で蹴飛ばしてやろうかと殺伐とした感情が芽生えた。


ああ。
あと、不愉快だったのは俺が処分をくらった文化祭の後で

『万威。 迎えに来たわよ』

と、母親が俺を引き取りに来たことだ。


どう見ても二十代にしか見えないあの女は学校でも水商売の雰囲気が滲み出ていた。


『先生。大目に見てくださらない?
万威は私の息子だと思えないくらい優しくていい子なの。
窓ガラスを故意に割るわけないわ』