眠れる森の彼女

俺のトーンを落とした声に毒が仕込まれていたように吏那は微動だにしない。


「隠そうとするんじゃねぇよ」


吏那のカーディガンのボタンを全て外す。


「だめです! 椎名先輩……っ!」


吏那は俺の意図がわかったのか、再び暴れ出す。


スカートにインされたシャツとキャミソールを引き出す。


「み、見ちゃだめ……!」


ウエストが細いせいで、それはいとも簡単に俺の目の前に曝された。


「やっぱり腹かよ」

「……」


吏那の日焼け知らずの真っ白な腹部についた赤紫色の痣。


痣じゃなくて火傷……か。


観念したのか吏那は震えるばかりだった。


「これ。誰にやられた?」