眠れる森の彼女

吏那とは変わらず美術室で昼休みに会っていた。


けど、爪を立たせずに表面を撫でるような内容のない会話しかしていないように思える。


それは、きっと吏那も理解しているはずだ。


理解していても、何が、どこが、と具体的に指摘できるようなものではなく。


どうにかしたいが、どうしたらいいのかわからない。


このままでいいのか、よくねぇのか……。


「万威は吏那ちゃんと回るのか?」


もう20分は続いている校長の話に飽きたのか各務が声のボリュームを落として聞いてきた。


「悪いかよ」

「うらやましい。万威が死ぬほどうらやましい」

「好きに死ね」