眠れる森の彼女

「はー……」

「真由! しっかり!!」


目の前で立ちくらみを起こしたクラスメイトをもう一人の女子が支える。


「まさか、ここまで似合いすぎるとは……」

「椎名くん、やばすぎ……」


ハロウィン喫茶を開く俺のクラスでは当日の衣裳のフィッティングが行われていた。


織原の狼男、各務のミイラ男、フランケンシュタイン、魔女、ナース、白衣、キョンシー……。


俺も例によって、白シャツに黒スラックス・サテン地の黒マント……と、ヴァンパイアの衣裳を身に纏ったところ、前述の反応をされ、俺一人に視線の集中砲火を浴びていた。


「椎名くん、絶対すごい噂になるよ!」

「大繁盛間違いなしだって!」

「眼福、眼福ー!」