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土手っ腹に銃弾を撃ち込まれた。


それはあながち過剰な表現でもなく、昼休みに美術室へ吏那が来なかった事実は尾を引いて、授業中も上の空になるくらいには俺に動揺を与えていた。


あの場所で落ち合うようになってから初めてのこと。


通信手段ってやつを持たない俺は手軽に吏那とは繋がれない。


吏那としっくり来ない会話を交わしたのが昨日の今日だ。


体調を崩して欠席してるのか。


それとも避けられてるのか……?


いつまでも胃の辺りの不快な感覚が消えなかった。


1年の教室まで行くか。


ださいかとも思ったが、うだうだしていたくもない。