眠れる森の彼女

褒められてるのかは定かじゃないが、猛さんの台詞は悪い気がしなかった。


見た目じゃなく中身の話をされたからか。


綺麗な目だと。

長い足だと。

挙げ句の果てには耳の形が美しいとまで。


いつだって俺が評されるのは外見のみだ。


こんな容姿、母親の面影が残りすぎて、変われるものなら変わってやりたい。


いい加減、飽きた。


「──で、万威の恋してる相手は誰だ?」

「マリエ」

「てめっ……。それ、俺の娘じゃねぇかよ!」


本気で怒る猛さんが可笑しくて、さっきのお返しとばかりにニヤリと笑みを含ませてやった。