眠れる森の彼女

猛さんはペテンを自由自在に操る占い師のように、曖昧な根拠で断言する。


「別にいいっすよ。そういうことで」

「相変わらず冷てぇな」


あっさり躱すと猛さんは渋い笑みを浮かべながら、レジ締めのために千円札を数え始めた。


「ま、俺はそういう万威いいと思うぞ」

「は?」


どういう俺なのか?


猛さんは一枚一枚札をめくる指に視線を集中させたまま、ニヤついている。


「万威はでたらめに綺麗すぎるからな。
ロボット……じゃねぇか。アンドロイドっていうのか、とにかく生活感を感じないから、人間味がなく見えちまうんだよ。
けど、感情だしてる万威はコイツも高校生のガキだって安心できていい」