少女が微かに微笑んだ気がした。
その後、食事を取りに戻った男が来るまで、二人はお喋りすることにした。
「この猫は、一匹だったのか?」
「そうだよ。この塔の足元にいたんだ。君が前に猫を見てみたいって言ってたから、つい、連れて来ちゃった」
少女は優輝の膝の上で丸まっている猫を見つめる。
「この猫は、ぐぅたらなのか?」
「猫なんてみんなこんなものじゃないかなぁ。猫は気紛れな動物って言われてるんだね」
言いながら優輝は思った。
(まるでこの子みたいだ)
けど、言ったら怒られると思ったので、何も言わなかった。
しかし、
「君、今私の様だと思っただろう?」
と、少女に言われてしまった。
「な、何で分かるんだよぅ!」
驚いた顔をする優輝を見て、少女は笑った。
「君はきっと、世界でいちばん分かりやすい人間なのだろうな」
「お、怒らないの?」



