「残り1ヶ月しかないのだ。素直にならないと、大切なことを伝えられない。違うかね?」
「そうだね」
片目だけを開き言う少女の言葉に優輝は頷いた。
「じゃあ、僕も素直に言うよ。」
優輝は少女の正面を向いた。
「君に出会えて本当によかった。この塔に上って本当によかった。君は不思議で、愛想がなくて、生意気で、可愛げのない女の子だと思ってたよ」
優輝がそう言うと、少女は眉を寄せた。
「それでも、君の血の事を知って、ずっと鎖に繋がれてた苦しみや、君の孤独、寂しさを、少しだけ理解できたんだ。僕と出会ってくれていありがとう」
優輝は優しく微笑んだ。
すると少女も微笑んだ。
「私こそ、出会ってくれてありがとう。君がこの塔に上ってきてくれなかったら、私は孤独しか知らなかっただろう。そして一生寂しさに苛まれながら生きていただろう。君に出会うことができて、本当に良かった」



