切れない鎖


「何だろう、ここ」

中は、一つの部屋になっていた。

ベッドにテーブル、暖炉に簡易キッチン、様々な物が揃っている。

「暖炉に火が付いてるし、絶対誰か住んでるよなぁ」

部屋の中は暖かかった。

すると、

「誰?」

という、可愛らしい声がどこからか聞こえてきた。

「っ!?き、君こそ誰だい?どこにいるの?」

優輝は問い返す。

すると、ベッドの脇から、小さな顔がぴょこっと飛び出した。

「誰?」

深いブルーの瞳の少女はもう一度問う。

「ぼ、僕は留学生の一条優輝。君は?」

「わ、私、名前、ない」

「名前が、無いの?」

少女は頷く。

優輝は一歩少女に近付いた。

すると少女はこちらにも伝わるくらいビクッと震えた。