弾が、やけにゆっくりと感じられた。
先端が丸みを帯びた弾がゆっくりとこちらに向かってくる。
弾の軌道がよく見える。
(何だ。こんなの、簡単に避けられるじゃないか)
優輝は避けようとした。
しかし、体が動かない。
(あれ?どうして動かないんだ?このままだと、弾に当たっちゃう)
その瞬間、頭の中で、家族の顔が浮かんだ。
目に焼き付けた、家族の顔。
シャルンやアナの顔。
『優輝、必ず戻って来いよ』
そして、シャルンの言葉。
(そうだ!ユルサルと二人で帰るんだ!)
優輝の頭に、ユルサルが浮かんだ。
優輝は目を閉じた。
頭の中のユルサルは、不安そうな顔をしている。
(僕が、君を笑顔に変えてあげるからね。一発くらい当たったって、どうって事ないよ)
優輝は、目を開けた。



