ぼーーーーーー
汽笛が鳴り響き、ようやく地面に足が着く。
船に乗っていた人々は、雪崩が起きたかのように、船から降りていく。
「あぁ~、疲れたぁ~」
優輝はユルサルをおんぶしたまま少し伸びた。
「日本か?ここが日本なのか?」
期待の籠もったような、不安が籠もったような声でユルサルが尋ねてくる。
「そうだよ。ここは日本、僕の故郷だ」
優輝も弾んだ声で答えた。
「まずは、すぐに家に行こう」
「君のか?」
「うん!上手くいってれば、凄いものが見れるよ!」
優輝は更に楽しそうな声で歩き始めた。
「凄いもの?」
「うん。凄いもの」
ユルサルは不思議な顔をするばかりだった。



