「どうして?」
「……あの男、私の父親は、元々国王になることを目論んでいた。遊んだ女が産んだ私を跡継ぎとするために、沢山勉強させた。そして代々ユルサルという国を担っていくつもりで、私にユルサルという名を付けたのだよ」
少女は低く言う。
「だから名前が無いだなんて言ったんだ……」
優輝も呟く。
「私は産まれなければ良かったのだろうか……」
すると少女、ユルサルそう言った。
「そんなことない!」
優輝が大きな声を出すと、少女はびくっとした。
「自分の娘を鎖で縛り付けていた国王が悪いんだよ!君は普通の女の子なんだ!」
優輝はユルサルを見つめる。
ユルサルは優輝から目を逸らした。
「国王の欲望のせいでずっと閉じ込められていた君が、可哀想すぎるよ……」
優輝はまた呟いた。
その時、シャルンが口を開いた。
「俺達は、きっとこういう運命だったんだよ。俺は父親に売られ、ユルサルはここに縛り付けられ。最後は結婚……」



