「俺とユルサルが結婚すれば子供が産まれる!その子供がもしかしたらもっと強大な未来を見る力を持っているかもしれない!国王はそれを狙ってるんだよ!」
シャルンは喚き散らすように言った。
「は?ユルサルって何?国?国の名前がどうしてそこに出てくるんだよ」
「お前、知らないのか?」
困惑する優輝に対し、シャルンも困惑しているようだった。
「知るって、何を?」
「その女の子の名前はな、ユルサルっていんだ」
「え……?」
優輝は俯いたままの少女を見た。
「だって、初めて僕と出会ったとき、名前ないって……」
「嫌いだからだよ」
少女が低く呟いた。
「私は、自分の名前が嫌いなのだよ」



