切れない鎖


その時、

「優輝さ~ん、入りますよぉ~」

という、咲の声が聞こえた。

「どうぞ」

優輝も返事を返す。

「失礼しますね」

すると、咲一人ではなく、卓志も一緒だった。

「どうしたんですか?二人そろって」

「優輝さんと、沢山お話ししたいことがあるんですよ」

咲はニコニコしている。

「咲は本当に優輝が好きなんだな」

卓志が苦笑いしながら言った。

「もちろん!たった一人の大切な弟ですもの。お兄様のことも大切ですよ?」

咲が悪戯っぽく笑った。

「何だか、家に帰ってきてから、全ての物が懐かしく感じられます」

急に呟いた優輝を卓志と咲が見つめた。

「今も、兄弟三人が揃うのが、とても久しぶりで」