切れない鎖


「やっぱり学園だったんだ!」

森が開けたとき、優輝は喜びの声をあげた。

目の前には一つ城のような建物が一つ。

「大きいなぁ」

優輝がそう呟いてしまう程に、大きな学園だった。

一歩近付く度に胸が高鳴る。

緊張のような、希望のような、不思議な感覚だった。

「やっぱり、まずは職員室だよね。確かユルサルの共通語はフランス語だったはず。フランス語を勉強しておいて良かったな。こんな形で役に立つとは」

優輝は建物の中に入ると、職員室のありそうな場所に向かった。

(この辺りかなぁ。広すぎて分からないよ)

すると、誰かの声が聞こえた。

(良かった。そこの人達に聞いてみよう)

「すみません」

優輝は緊張しながらフランス語で声をかけた。

すると二人の人はこちらを振り向いた。

「なんだい?それに、えっと、君は?」

眼鏡の男の人が尋ねてきた。

「僕は留学生の一条優輝です。職員室がどこにあるのか分からなくて。よかったら、教えて頂けますか?」