「なぜそうなる?」


「だってさっき予定が入ってるって。クリスマスに予定なんて怪しすぎるでしょ」


「あー…、違う違う」



美香の言いたいことを理解して首を左右に振る。



「お兄ちゃんにお店の手伝いさせられてるの。サンタの格好で」


「サンタ?」


「そう、実はね、」



あたしは昨日の一連の流れを美香に話した。


お店の前に風船を持ったトナカイが立ってたことからサンタのコスを着せられ客寄せをさせられるまでを。


でも更衣室でのトナカイくんとのやり取りは話せなかった。

今まで隠し事なんてしたことなかったのに。今はまだ自分の中にしまって置きたいって思ってしまったんだ。




話を聞き終えた美香が「あはは」と声を上げる。



「さすが愛梨のお兄ちゃん。相変わらずだねー」


「また他人事だと思って~、もう」



実はお兄ちゃんがシスコンだってことはこの学校でちょっと有名な話なんだ。


ま、その話は後ほど。