――へっ? あたしは思わず立ち止まり心の中でそんな間抜けな声を出してしまった。 だってお店の前に、 真っ赤な鼻をしたトナカイの…、着ぐるみが立っていたから。 2本足で立って、手には風船を持って 明らかに人間が中に入ってます…、的な。 トナカイもあたしを見て固まってて。 「こ、こんにちは…」 あたしがぎこちなく頭を下げると、トナカイも同じくぎこちなく頭を下げ返してきた。