「そうか。」

励ます言葉すらも想いつかない。
他の人なら何て励ますのだろうか。
俺はその場から離れるように立ち上がった。

「俺帰るから。じゃぁな。」
「だっ、ダメですよっ!!」
「何で。」
「お医者さんが頭打ったから安静にって…」

涙目になりながら云ってきた。

「知らねぇし。」

那津を無視して病室のドアを開けると親父が眉間にシワをよせて立っていた。