僕は商い人。


春、夏には船に乗って外国へ渡り、

木の実やくだものの砂糖漬け、

自分の国でかき集めた陶器を売る。


外国から帰ってくると、

品物を売ったお金で毛糸や布、

食べ物を買い、

秋になると山に入って木の実や

くだものを採ってくる。


木の実は乾燥させ、

くだものは砂糖漬けにし、

冬の食べ物、もしくは品物として

蓄え始める。

買ってきておいた

毛糸でセーターや帽子、手袋を編み、

糸で布を織る。


秋がおわり、冬が始まる頃、

秋に編んでおいた物を売り、

魚や肉の干したものを買って家に帰る。

山で枝をかき集め、

斧で木を切り倒し、

冬に備えて薪割りを開始する。



毎年、毎年

物心ついたときから

祖父とこの暮らしを行っていた。

僕が13歳で祖父を失なってからは、

5年間、ずっと一人で。