「強暴でも、泣くんだな」

「?!失礼な!」

俺の言葉に怒った美和は、枕を勢いよく投げた。

すぐに気づき、しっかり受け止められたのだが。

…今は、いつもみたいに振る舞えている美和を見て、

ホッとする自分がいた。


…思ったより、大丈夫そうだと思ったから。


「…あのさ、慎一」

「・・・ん?」


「何で私は大丈夫なの?…性格は男みたいだけど、

一応女だし・・・」


「・・・さぁ」

そう言ったオレは、部屋のドアを開けた。


…それがわかったら、苦労しない。

でも。


「美和」

「・・・何?」


「なんかあったら、何時でも言えよ。

・・・一緒にいる以上は、美和のとこに、飛んでいくから」


「…バカ」

美和は恥ずかしそうに、そう言って、

そっぽを向いた。