颯太の言葉に驚き、目を見開いた私の視線は、

颯太の顔に。


「どこをどう見たら、そんな発想が生まれるの?」

「え?…だって、普通なら、あんな行動取りませんよ」

そう言って、苦笑いした颯太。


「は?何が?」

理解不能の私は、頭の中に、?マークが飛び交う。


「美和さんに優しくする僕が、気に入らないんですよ、慎一さんは」

そう言ってクスッと笑った颯太は、慎一たちと同じ方向に向かって歩き出す。


「何よそれ~?!颯太君の勘違いでしょ?」

そんな事を言いながら、颯太の横まで小走りに向かった私は、

隣に着くと、同じ歩調で歩き出す。


「「・・・・・」」

真っ直ぐ前を見た私と颯太は、無言のまま、その場に立ち止った。


…あの時のように、凄い目で、私たちを睨む慎一がこちらを見ていた。

・・・なんか、したっけ?


「き、気にしない、気にしない、散歩続行、颯太君」

「…分かりやすい人ですね」

「だから、颯太君の勘違いだって」

「…なんなら試に、部屋交代してみます?」

「・・・は?」