・・・なんだかんだ言って、

言い合いしながらも、2人で行動する事に慣れた私たち。

慣れたどころか、一緒にいる事がごく自然で当たり前だとさえ、

思ってしまったいた私。…慎一はどう思っているのか?


・・・旅行、7日目。

あの日以来、私たちに近づきもしなかった樹里が、相部屋の

相澤 颯太【26】を連れて、私たちの所に度々やってくるようになった。


共に食事をしたり、買い物に出かけたり、散歩にすらついて回る。

…若干、うっとおしさを感じてしまった。


「はい、これでどうぞ」

「・・ぁ、ありがとう」

散歩途中、ベンチに腰かけた私に、いつのまに買っていたのか、

颯太が私にミネラルウオーターをくれた。

喉が渇いていた私は、ありがたくそれを受け取った。


・・・のに。


「・・・!」

それを奪い取って、慎一がそれを飲んでしまった。

飲みかけのそれを、私に返すと、慎一は先に歩き出してしまった。

樹里はそれを追いかけ、慎一の横に行くと、嬉しそうに歩き出した。


・・・その光景に、なぜか違和感を覚えつつ、

飲みかけのそれに視線を落とした。


「慎一さんって、美和さんの事、本当に好きなんですね」