家より小さい会社なのにどうやって
お見合いを壊せるの?

二階堂君の考えが分からない。

「そんな事言わないで付き合おうよ」

「い、い、嫌です。父に言いつけます」

パパに言ってどうにかしてもらおう。

「や、や、止めて下さい!」

「力じゃ適わないから大人しく言う事聞け」

嫌だ!

キスされる!

ギュッと目を瞑ったら...

ーーーバキッーーー

凄い音がして恐る恐る目を開けると...

『ゆう!大丈夫か?』

そこには昌宏先輩が肩で息をしながら
心配そうな顔していた。

二階堂君は地面に尻もちをつきながら
私達を睨む。

「ーーーッーーー」

怖くてガタガタと身体が震える。

逃げたいのに身体が動かない。

『ゆう、おいで』

優しい声色で私を呼ぶ。

差し伸べられた手にしがみついた。