『えーっとな、こう、水色と、緑が混ざった感じの色なんだ。とにかく綺麗なんだよ。あー、…そう!まるで宝石みたいな!』
『………………』
リロザは俺の下手な説明を聞いて、何か考え込む。
そして、思い出したように『……ああ』と言うと、分厚い本を開いた。
『“ 碧色 ”の、あれか』
ヘキショク……それが、色の名前?
『リロザ、知ってんのか』
『この本を読んでいた時期にな、私も気になったやつだ』
…この分厚い本を『読んでいた』時期があるとは。
やはり貴族は理解できないと、俺は内心思ってしまったのだが。
『お前の言っているのは、きっとこれのことだろう』
リロザは、何度か本の紙をペラペラとめくったあと、そのページをこちらに見せた。
そこには、質素な紙の上に印字された説明文と、その上に簡単に描かれた植物の絵があった。



