【完】英国紳士は甘い恋の賭け事がお好き!


あ。
目から鱗と言いますか、日高さんの言葉であの日ばっさり跡取りを辞めさせられた日が思い出される。
私みたいな役立たずは、後はどこかに御見合いでもさせて追い出されると思っていたけど、此処に連れてこられたのにはきっとこの意味があったんだ。

「私、鹿取ちゃんならいいの。でも幹太はこんな律儀で頭が堅くて融通も利かないし頑固で顔も怖いし後は」
「も、そこまでで良いですよ。幹太さんが言葉も顔も怖くても、優しい人なのは分かってるので」

幹太さんの悪口がヒートアップしそうな所で止めておく。日高さんには積年の恨みが蓄積してるのかもしれない。
私は小学生の時の御使いの件しか思い出はないけど、トラウマだったから分かる。

「優しいよね。――でも結婚は別よ?」

声のトーンが低くなる。日高さんはお腹を摩りながら、落ち着いた声のトーンで言う。


「あの外人さんとはもう会わないと言うなら、幹太との話が来たら前向きに受けてみるのも良いけど、少しでもまだこわいとか親に逆らえないとかあるならちゃんと自分の意見を言って頑張って」