仕事も、なんとか覚えたと思ったら先からまた違う仕事の指導が始まる。
日高さんの後の人が決まらないのも納得できるぐらい厳しい。
髪は黒髪だとかアイライン、アイシャドウ禁止とかは接客もするのだから当然かと思うけど、歩き方から指の動かし方一つ、そして電話対応さえも細かいマニュアルがある。
今日はずっと電話対応も練習させられた。
御菓子の説明もなんとか出来ている……といいなと思っている。
実際に働いたことがない私から見てここは大変だと思うだけで、本当はもっとOLさんは厳しいのかもしれない。
「熨斗の御名前、頼めるかしら」
「はい」
日高さんは、歩き方から仕草まで完璧で、お客様が居なくなると素に戻るからギャップが激しいが仕事はしっかり割り切って出来ている。
そんな日高さんは、書道は苦手らしく熨斗は私が担当している。
と言っても私も父が亡くなってからは練習はほぼしていない。
「美麗さんって繊細な字を書くわよね」



