「美麗?」

化粧室をノックされ、佐和子さんがすぐにドアを少し開けた。

背が高いから、佐和子さんの頭の上からすぐに私に視線を送って、心配そうに首を傾げる。

「服なんて気にしないで下さいね。今から着替えを買いに行きましょうか?」

デイビットさんは借りれそうな服がないか聞きまわっていたと佐和子さんとの会話で分かったけど、それ以上は甘えられなかった。

「この服が良いんです。あの、だから御願があります」

立ち上がって、ワンピースの裾を握りしめながらデイビットさんの顔を見上げた。