【完】英国紳士は甘い恋の賭け事がお好き!

「今度相談なしで買ったら、もうおやすみなさいのキスしませんから!」
「そんな」
蒼ざめるデイビーの背中を、人差し指で何度もツンツンつついて威嚇しておく。本気だぞ、と。
隙あらばいちゃいちゃしたがる彼にはこれが一番ダメージが大きいのはもう分かっている。
愛情表現豊かな彼には、これぐらいの戒めは必要なはずだ。

愛情表現も無駄使いも大胆で私一人があたふたで。
それでなくても、デイビーのお給料の明細とか見せられても、それが多いのか少ないのか良く分からないし、人に簡単に言える相談ごとではない。
前に一度幹太さんに相談したら、管理できないなら任せた方がいいとまで言われたけど。


「お母さん、デイビーったら」

居間へ早歩きで向かいながら、母に注意してもらおうと大声でそう言う。
デイビーは大きな身体を小さくして私の後ろを着いてきている。

「何です、はしたない。夕食なら、今、火を入れて頂いています」