桔梗さんが御店の色々な事務仕事をしているので私だけこんな楽をしてしまうのが本当に申し訳なくて。
「早く新しい人が入ればいいんだが」
「やっぱ敷居が高いですよね」
「老舗のプライドがあるからなかなか決まらない」
だんだんと溜めこんできた本音を、ゆっくりだけど幹太さんが零しだした。
はやく落ち付いてくれたらいいけど、おじさんやおばさんは2,3年は慌ただしいだろうって言っていた。
それでも、幹太さんの2店舗目の計画に一緒に頑張ってくれている。
「今度、御酒を飲みながらデイビーにでも愚痴って下さいよ」
「デイビットは難しい質問してくるから、いい。昨日見た映画の話のように『戦国時代はさあ』って話しだしてきたぞ」
「それは、申し訳ありません」
ちょっと、……いや、大分日本の文化が大好きで歴史年票を読書に紅茶を飲む人だから、慣れないと驚いてしまうと思う。



