やはり、彼は否定なんてしなかった。 帰って来る言葉に、ホッと胸を撫で下ろしてしまう。 「貴方がしたいことがあって、そのしたいことが色んな可能性に輝き道を示すのは私も嬉しい。ただ、――私の大使としての任期は今年で終えます」 「……え?」 「着いてきて欲しいと言えば、貴方はその輝き示す道を捨てられますか?」 着いて行く? 私がイギリスに? その考えだけはまったく考えていなくて、私の小さい世界を粉々に砕き、隠れていた空を見せつけられた気分だった。