【完】英国紳士は甘い恋の賭け事がお好き!



「ふむふむ。旦那さん、身長は何センチ?」

診察室に呼ばれて、第一声が私のことではなくデイビットさんのことだった。

若い女の人で、桔梗さんみたいにはきはきした口調。ちょっと淡々とした感じの話し方で身構えてしまう。

「191センチです」

「ええっ」

思わず出た言葉に、デイビットさんが照れたように後ろ頭を掻く。
褒めてないのに。

「で、貴方は?」

「156です」

そう答えると、『わかった』とすぐにカルテに何か書きだした。
そして四週目ではエコーで赤ちゃんが見えないかもしれないと説明しつつもエコー台に乗せられた。

先ほどトイレでまた検査したら陽性だったから間違いではないのだけど。

「ああ、見えるよ。ちゃんと見えている」

そう言って機械に映し出されたエコーの様子ではどこか分からなかった。
そのまま写真が印刷しれて出てくると、色々と説明が始まって緊張してきた。
あまり上手く頭に入って来なかったけれど、つまりは問題なく順調だということらしい。