「でも、ねぇ。貴方、次の土曜に幹太さんとお見合いなんでしょう? 店で毎日会ってるのにお見合いってのも変な話だけど、でも、もしここに嫁いだら日高さんなんて先輩面して目の上のたんこぶよぉ?」
一見、心配した話しかけ方だけどどう見ても、私の反応を待っている。
桔梗さんとの仲を引き裂くような話も、私と幹太さんのお見合いもただの野次馬で面白がっているのがひしひしと感じる。
まだお見合いの話が幹太さん側から来て返事をしてから数日しかしてないのに。
「そんな事ないです。それにお見合いではなくて、食事会ですので」
朝からちくちくささる視線にうんざりして、少しだけ気分が悪くなってきた。
何を説明しようと、『でも』『だけど』と追及されたらうんざりだ。
「あの、すいません」
急いでトイレに行くと、逆流してきたものを吐き出してしまった。
うう。気分が悪いのは、ずっと微熱が続いてるせいなのかな。



