それから先生の話を聞いていたけど
まったく耳に入ってこなかった。
原因はもちろんアイツ。
明日ガツンと言ってやろう!
許さないんだからね!
そう思っていたら
先生の話が終わったようで
「じゃー、初日だしここまでにしとく。
今日はもう帰っていいぞー!」
えらく適当な先生だな。
「あ!恋歌!わたし今日部活あるから
先いくね!ばいばーい!」
「りょーかい。がんばってー」
手を振りながら菜月を見送った。
さてと、私も帰りますか。
そう思ってカバンを手に持った その時だった
誰かが私の腕を掴んだ。
「うぉいっ!」
びっくりしてよく分からない言葉がでた。
ちょっ、誰よ!と思いつつ振り返ってみると
「あんたは…」
驚いた。さっき私の自己紹介を無視したやつ
だったから。
するとソイツが私の腕を掴んだまま
「俺…小林 魁人(コバヤシ カイト)」
そう俯きながら言った。
「え…」と突然の出来事に
呆気に取られていると
掴んでいた手を離し早足で帰っていった。
その光景を見ながら
まだ教室に人がちらほらいる中
「なに…アイツ…」
と独り言をつぶやいていたのだった。


