「蒼波さん…元気でね」 「……っ」 「キミも…元気でね」 そう言って、雫ちゃんは子犬を抱き上げて わたしに手渡す。 「じゃあ、また…」 そう言って、雫ちゃんは背を向けた。 「っ……うん、また、ね…!」 ………少し歩いたところで 不意に雫ちゃんは立ち止まった。 そして、ゆっくり振り返る。 「……雫ちゃん…?」