「……ねぇ、あたしがいなくなっても キミだけは…… あたしのこと忘れないでいてくれる…?」 そう言ったら… 「わんっ…!わんっ…!」 と、子犬は何度も吠えてくれた。 「…絶対に、忘れたりしないでね」 そう言って、 あたしはふっと微笑んだ。 __パサッ…… 不意に、窓からなびいた風によって 置いていた紙が散らばった。 「……しまうの忘れてた」 あたしは紙を拾って、 段ボールの中に閉まっていく。