「……なぁ瀬織。今の俺じゃ…
…お前の復讐…止められねーのッ…?」
『………あんただけじゃないよ。
あたしの復讐は、誰にも止められない。
……ここで終わらせるわけには、いかないから』
「っ……」
『だから…………さよなら黒瀬__』
そう言った瀬織の声は、
あまりにも優しくて……
だけどその言葉は、
あまりにも悲しすぎて……
電話の切れた音だけが、虚しく残る。
__ポタッ…
……雨?
頬に落ちた雫を拭って、空を見上げる。
「ふっ……まじか…」
見上げた空からは、雨なんか降っていなくて
「だっせぇな…俺」
落ちた雫は、自分の涙だったことに
あとから気付いた。
「っ……さよならって何だよッ……」
ギリッと拳を握りしめて、
俺はそんなことを呟いた……__