『……7年前にさ、
あたしが見た刑事の印象は、最悪で……
あたしが言ったこと、信じてくれないし
殺人犯の父を、捕まえてくれないし…
だから、ずっと嫌いだった。
それがいつの間にか、あたしが思う
刑事のイメージになってた』
「………」
『……でも、今はさ
それは偏見だったのかもって
ほんのちょっとだけ、思ってる。』
「……え?」
『あんただけだった。
あたしの話を、いちいち信じてくれたの。
……前にあんたはさ、
【なにも知らずに、
酷いことばっか言ってごめん】
なんて、あたしに言ったけど……
それは、あたしの嘘を
全部信じてくれていた証拠なんだよね。
だから……
あんたが謝る必要なんてなかったのに…』
「………」
『……7年前に会った刑事も…黒瀬みたいに
あたしが言ったことを信じてくれたら…
……あたしの人生は
ちょっとだけ、変わってたのかな。
もしかしたら…
嘘を覚える必要なんて、なかったのかも』
「……っ」


