「だから、絶対にそんなことすんなッ…!」
『……もう止めたりしないでよ。
"父親と同じになる"なんて
そんなこと分かってる。
でも…あたしはもう、覚悟を決めたから』
「っ……」
『……あたしね』
その直後、電話の向こうからは
瀬織の…少し悲しそうな声が聞こえてきた。
『あたし、刑事ってずっと大嫌いだった。』
「……え?」
突然の言葉に、俺は思わず驚いてしまう。
…っていうのも、
瀬織が自分から、自身の話をするなんて
あまりにも珍しいことだったから。
だから、俺は瀬織の話に耳を傾ける。
『…いきなりごめん。でも、電話だし……
後悔したくないから、
最後に伝えようと思って…』
「………?」


